《虚空歴録》 篇完結!
過去への旅を終え全ての記憶を取り戻した君彦達の進む現在 に待つものは。
《発明家》スティーブンの魂や感情を司る目に見えない臓器があるのではと言う仮設が、霊魂とかスピリチュアルなイメージを持つものが私は「臓器」と定義されたとたんに科学的に感じてそれが面白いなと思いました。
君彦が《情報屋》ブルーノに突き付けられた少女を救うか、世界を救うか。という二択がこれぞボーイミーツガールの醍醐味という感じで良かったですし、「『世界を救う少女』を救う」と躊躇いなく答えたところがグッときました。
8巻の「君彦の両手は夏凪とシエスタで埋まっている。でも夏凪の左手はまだ空いている。そうやって救われた人がまた誰かを助け繋いでいくことが全てを諦めない唯一の方法」というところが印象に残っているので、この少女を救い共に世界を救うというのがまさにこのことだと思ってグッときました。
その後にそれがこれまでの旅で行き着いた答えだと君彦が言う場面があって嬉しかったです。
《名探偵》は二人同時に存在できないという制約の中でシエスタと渚が生きて再会出来たトリックには驚きました。
ロトの「世界を救う使命を背負う者は他の重荷になるものを失うように出来ている」という理由で英雄たちは家族を失ったりし、いつでも身を捧げられるよう因果から切り離されるというのが確かに悲しく感じました。
新たな脅威《未踏の聖域 》の侵略から君彦達は世界を守ることが出来るのか。続きが楽しみです。