リドリーとワタリの宇宙旅行第二弾。東崎先生は前作のカバーそでで百合っぽくなったとおっしゃってましたが、今回完全に百合確定なエピソードもいくつか。
やはりタイトルにもあるように二人が旅する舞台が「星」というのが幅広いエピソードを生んでいて、次はどんな話だろうととても楽しめました。基本的には二人が訪れるのは地球型の星で星人も人型が多いですが、中には人とはかけ離れた姿の星人だったり、その星独自の法則に支配されていたりと地球あるいは地球に準じた舞台設定では描けない物語があるのが面白いです。
「明の星」「星の星」と短めのお話でテンポ良く楽しんだあと「子の星」で生理的にムリ、となり、「獣の星」で少し癒やされる読み始めの構成が上手いなと思いました。
「湯の星」は二人に最大の危機が迫りながらものほほーんとした雰囲気が面白かったです。リドリーの機転でピンチを脱したのも面白かったですし、岸辺露伴の名前が出て来たのも面白かったです。
「待の星」は死期(?)を待つメイドアンドロイドの最後の時間に切ない気持ちになりました。
「無の星」に存在していた女性は果たして「果て」を見てしまったリドリーの姿だったのか。余韻の残る話で面白かったです。
「壊の星」では二人の過去が少し明らかになったのも良かったですし、幼い日の記憶を思い出し最後にアリスと遊ぶリドリーの姿に切なくなりました。
「書の星」では前巻でも登場した本の精霊が再登場したのが意外でした。リドリーの言う性格の悪い人間が書く小説の方が面白いという話や創作観は東崎先生の持論なのか気になりました。