金に汚くロクでもない冒険者と評判のレナード。しかしその行動の裏にはある意図が。
人々の噂は実際そうですが、レナード自身はある目的のため金を必要としていて、その真実が預言者を通して語られていくのがとても面白かったです。
レナードはマリカの戦いでルークを置いて逃げたことを強く後悔していて、その後悔の念が今の原動力となっているのがいっそうレナードという人物の深さになっていると感じました。
無念を晴らすためとうとう魔人ベルゼラに辿り着いたレナードですが、力及ばず凶刃の前に倒れてしまいます。
しかし、レナードを見守る中で彼に対する想いが変化していった預言者が今代の勇者アレスに働きかけ、新たに編纂された世界ではレナード達の救援にアレス達が間に合い無事にベルゼラを倒すことが出来たのが熱かったです。
私はエピローグまで気付かなかったのですがアレスことザックはルークの息子で、前巻からしっかりと人の繋がりが続いていたことにしっかりとしたシリーズものだなという印象を受けました。
何度も世界編纂を繰り返し王妃が心を磨り減らしていったのは前巻でも語られたことですが、今巻ではレナードにその秘密を打ち明け苦悩を吐露する場面があります。レナードと語り合ったことで果ての無い繰り返しの先に光明を見つけようと再び立ち上がる預言者。レナードがいなければ預言者は今も勇者を見つけられていなかったのかも知れません。そうなればレナードもまた世界を救った勇者の一人だったに違いありません。
永い刻の果てにレナードとの邂逅を果たした王妃の心中を思うとグッときます。
ザック達の元気そうな姿も見られて楽しかったです。