【感想】宇宙戦争

ネタバレあり

 言わずと知れた古典SFの大名作。東京創元社70周年のアニバーサリーカバーで出ていたので購入。

 タコのような火星人がやって来て侵略し、このまま人類が終わるかと思ったら未知のウィルスにより火星人が全滅し助かるという、今ではひと昔前の定番エンドの元となった作品くらいの知識しか持ってなかったので楽しめました。

 火星人が触手で立ってるイラストをイメージしますが原作では重力によりノタノタ這いずるだけというのが意外でしたし、それを補うためにパワードスーツを作り出し巨大ロボットのように侵略を行うというのがこれも意外で驚きました。熱線も光線銃のイメージだったので箱形というのも意外。

 作品が発表されたのが1800年代の終わり。今とはまるで様相の違う世界の様子も楽しめました。

 当然まだインターネットなどない時代。最初のUFOが落ちてきて群衆が見物に集まりますが、今ならみんなスマホを持っていて写真や動画をネットに上げているだろうなと感じました。

 ラジオが生まれるのが1900年になってから、テレビは1900年代半ばと情報の伝達スピードが違います。ライト兄弟が飛行機を飛ばすのが約五年後、人類の反撃は大砲で戦闘機など望むべくもない時代でした。

 UFOと聞いて思い浮かぶアダムスキー型が登場するのが1950年代。今では宇宙人と聞いて思い浮かぶリトルグレイがスピルバーグにより「未知との遭遇」に登場したのが1977年と宇宙人へのイメージもかなり違っていました。

 ラストは生存は絶望的と思われた妻と再会するというハッピーエンドなのがエンタメとして良かったなと思いました。