SAO本編にも圏内事件というミステリエピソードはありましたが、スピンオフでがっつり本格ミステリをやるという挑戦的な作品。
SAOの設定が上手く活かされていてクローズドサークルでの連続殺人と事件としての面白さもあって面白かったです。
主人公の元に謎の手記があり、過去のSAO内で起こったらしき事件を現在ALOにいる主人公達が推理していくという物語構造もありクラシカルでありながら意外な展開もあり驚きました。
解決編で探偵役のスピカが言うようにヒントはあらゆるところにあり、ミステリ部分も茅場のヒントは全て示してあとはプレイヤーの知恵に任せるを地で行く難易度でした。
メディキュボイドが語られるのがヒントと思い、生き残ったイアソンがメディキュボイドで見ているVRという多重構造を予想しましたが惜しかったです。
迷宮館の見取り図が何かに似ているというスピカの言葉に色々考えましたがまさか「アンティキティラの機械」とは思い付きませんでした。言われてみれば見えなくもないですが円堂のいうように存在すら知らなかった人も多そう。
「迷路館の殺人」や「そして誰もいなくなった」など有名ミステリのタイトルが出てくるのも面白かったです。オビの知念実希人先生の言葉や作品内でも言われているように「そして誰もいなくなった」のオマージュであり、手記が重要なアイテムであるところや犯人のトリックにその雰囲気を感じました。