『元カノ実家訪問系トラベルミステリ』シリーズ第三弾。
第三章までの感想と考察
第三弾ですが今のところシリーズいちの面白さ!
最初は樋山と鳴海の出会いが描かれ、櫻を助けようとする鳴海に樋山が覚悟を求める場面。
「子どもだから出来ないと可能性を狭めるな、背伸びして大人になればいいんだ。好きな女を助けるためなら根性みせろ」と言われそれまで父の言うことを聞いていた鳴海が覚悟を決めるシーンが樋山も鳴海もかっこよかったです。
島に着いて継承の儀を阻止した鳴海が扉越しに櫻と会話する場面。
櫻が決めた呼び方が「ナル」だったのに対し返ってきたのは「鳴海君」という呼び方。
何かの言い方が違うことで偽物がバレるのは王道ですよね。
満潮になれば神殿の前の潮流で水に浮かぶものなら流れ去るというのもなにかの手がかりか。
そして遺体の発見時の描写では「傷一つない綺麗な腹部」。
櫻の腹部には自殺未遂で残った傷跡があるので神殿の遺体は櫻ではないと予想。
さらに本部に連れて行かれた鳴海におびくに様が無実だと告げる場面はこのおびくに様が櫻だったのでは、という想像が働きました。
軟禁された鳴海の前に現れたのは妹の紫 。
車椅子の人物が実は歩けたというのも王道中の王道。
ここももちろん疑ってかからないといけませんが、注目すべきはやっぱり水のペットボトル。
二リットルのペットボトルが六本収まっている箱がふたつあり、片方は未開封だが開封済みの方の箱は二本のペットボトルが空だった。
この時点では死体の代わりに重しになるものが必要だったみたいなトリックがあるのかなと思っていましたが、後にこの車椅子の説明が出て来ます。
いわく「70キロ以上で動かなくなる」。
紫の持って来た水は20キロなので紫の体重は50キロ以下、はまぁそうだとしても、やはり車椅子で死体を運ぶためにバラバラにしたのかな、という予想は出来ますね。
櫻の遺体は首以外の切断面は無残なものだったのに、纏っていた赤鱗の羽衣の切断面は同じ箇所もハサミで切ったように綺麗だったというのも気になります。
樋山がおびくに様を監視しますがここは第一章であった南京錠の事件がなにかのヒントなのでは。
海老沢殺しは鳴海達が最初に入り込んだ物置にあった汲み上げポンプと錦鯉の池の水がなにか関係ありそう。
このトイレは密閉性が高いという描写があったので水で満たしたとか?
別のミステリで開き戸は数十センチの水かさで水圧で開かなくなると見たので。
亀梨の遺体の腹部が中心に焼かれているのはこの遺体が櫻なのでは?
人魚の人形の首が見つかったということで、おそらくボートに乗せられている紫の遺体は人形か。
ジーンズがスカートに替わっているのは足ヒレを隠すためか。
どうも紫が怪しそうな感じ。
脅迫状を送ったのは櫻かと思っていたけど魚住殺しとかまだまだ事件には裏がありそう。
神殿の身体が聖、吊るされていたのは人形の首。
拝殿の首が聖、身体は人形。
神殿で見つかった首が櫻、亀梨の身体が櫻。
聖は最初から神殿に潜んでいてモニター越しにやり取りしていたのは櫻か紫だった、という推理で最終章へ!
樋山さんが元刑事だったというのも明かされました。
第一章の「私が本当に追い詰められた時に助けてくれる?」という約束的には実は犯人は櫻で鳴海は気付くけど見逃す、みたいな展開もありそうなんだけど。
読了後の感想
最後は色々混乱しながらも読了。
面白かった!
まさか複数犯というのは頭になくて驚きました。
樋山さんが着ぶくれしているという描写も伏線だったとは。
それと誕生日が預言されていた話が帝王切開、腹部の傷に繋がるのもなるほどと驚きました。
最後は伝奇的な不思議を残して終わったのも不思議な伝説にまつわる事件として良かったです。
樋山に自分の頭で考えろと言われた時は東野圭吾先生の『どちらかが彼女を殺した』みたいに答えを読者に任せる最後かと思いました。
でもそこもやっぱり伏線があったんですね。
切ない。




































