昔話の世界を舞台にしたミステリー第二弾。
今回も有名な昔話がモチーフになっていて竹取物語なんかはかなり原典に沿ったストーリー展開だなと感じて面白かったです。
「七回目のおむすびころりん」はタイムリープを題材にした一篇で悪態をつきながら己の欲のため奮闘する意地悪じいさんがいわゆるタイムリープものの主人公とは正反対のキャラクター性で面白かったです。ラストも可哀想だけど自業自得かなと。
「真相・猿蟹合戦」はまず栗や臼とされるのが猿だったという話から、栃丸が実は狸だったという展開に叙述で楽しませていただきました。
ラストに登場する猿六には「初歩的なことだっぺ」と煙をくゆらす場面で「さるろく……シャーロックか!」と気付き、綿さんも医者で語り手だしなるほど《二二一ノ乙》はホームズの下宿の住所なのかとオマージュに気付けて楽しめました。
次回でシリーズ完結とのことですが楽しみです。