【感想】私が彼を殺した 新装版

ネタバレあり

 究極の犯人当て第二弾。今回は容疑者が三人に増えさらに難易度アップ。「どちらかが彼女を殺した」ではなんとなくこうかなという推理は出来たのですが、今回はまったく見当も付きません。

 前回と同じく推理の鍵となるものとポイントは作中で加賀から提示されます。ポイントは身元不明の指紋。鍵となるのはバッグ、薬瓶、ピルケース。

 こうしてさぁこれがヒントですよと最後にあからさまに示されるのはちょっと推理クイズを意識されてるのかなと可笑しな感じがしてメタな気持ちになりました。

 解決編も関係者が一同に集められいよいよというところで加賀が登場する。まさに「名探偵みなを集めてさてといい」の世界でその芝居ががかった状況にまさに本格ミステリーの世界やー! と読んでいて盛り上がりました。

 美和子がなんで穂高と結婚する気になったのか、最後に貴弘が気付いた彼女は人を愛する女を演じているんだという推測になんだか納得しました。

 さて、犯人捜しに戻るとすると身元不明の指紋とはいえ加賀には誰のものか見当が付いていたようです。となると作中には登場あるいはいることが示唆されている人物で考えると雪笹の後輩の西口、ピルケースを渡されたボーイ。ホテルのボーイさんといえば手袋をしてるイメージがあるので指紋が残るとすれば西口。彼女が触ったものと言えば美容室から控室に持って来た美和子のバッグ。でも貴弘は彼女と二人で控室まで行っているのでカプセルを仕込むことは出来なかったはず。そう思い読み返したときに見つけたのが美和子がホテルの部屋に忘れたバッグを誰かに持って来てもらうという発言。ここが鍵になりそうな気がします。

 今回も解説を読む前に書いているので読むのが楽しみです。