なんとなくそうなる気はしていましたが、シリーズが終わる頃には妹が12人になってそうですね。
今回はミステリーの王道、館のクローズドサークルにループものをプラス。失踪事件の真相とループの謎に葉介が挑みました。
二十五年前にある館から忽然と姿を消したはずの少女が当時と変わらない姿で発見されるも再び失踪。調査の依頼を受けた葉介は夕緋と共に現場の館に向かう途中くだんの少女と出会い真実を求め館の門を叩く。
怪しげな館とそこに集まった巨大企業の一族に使用人。これぞという雰囲気の中で全員が死に至り葉介は再び館に辿り着いた時点に巻き戻っていた。
失踪したはずの少女瑠依珠は本人なのか、このループは何が起こしているのか、名コンビネーションで謎を解いていく葉介と夕緋の活躍が面白かったです。
葉介が白く狭い世界に閉じ込められていた瑠依珠にこれからも楽しいことがあればいいと一度はためらった水族館に行こうという約束をするところがウルッと来ました。確かに瑠依珠は可哀想だったけど本人が悲劇だと思っていないならそう思うのは傲慢だ。
過去の真実を知り全てを受け止めた瑠依珠が最後に知りたかった自分の本当の名前。佳二に詰め寄るも答えは得られず「知りたかっただけなのに!」と叫ぶ悲痛な姿に泣けました。
“地多”の力を最大限に高めるため瑠依珠の遺体の場所を推理する葉介。過去の朔との会話がヒントとなり、そして使用人達の良心と贖罪を信じた答えにウルッと来ました。
母との邂逅を果たし本懐を遂げた瑠佳でしたが、失われたものは戻らないという現実が切なかったです。
葉介の追う“災厄”に手が届くところまで来ているようでシリーズとしてのストーリーもどうなるか先が楽しみです。