シャーロック+アカデミー Logic.3 カラスが虹に染まる時

ネタバレあり

 前回はクローズドサークルというミステリの王道だったのに対し今回は学校イベントと学園ラノベの王道で来た第三巻ですが、狡猾な敵と対決するラストバトルが激アツで最高に面白かったです!

 実技テストに挑むことになった不実崎の前に現れた穂鶴黎鹿。彼はかつて自分より下だった不実崎が最終入学試験で一躍脚光を浴びたことに嫉妬し不実崎を陥れようと画策。順調に見えた不実崎達は自分のクラスを洗脳と脅迫で支配下に置いた穂鶴によって追い詰められていく。

 そこに現れたのは一巻で存在が示唆されていたけれど不在だった幻影寮の二人の先輩。

 その一人犬蔵仁は実質学園第三位の実力者で不実崎に逆転の切り札となるスキルを与える決定権を握っていました。

 イケメンで微笑みを絶やさず話し上手。縁側で日向ぼっこしながらお茶を啜る好々爺を思わせる犬蔵が不実崎にただ力を与えるのではなくその覚悟を問う厳しさを持ち合わせていたのはギャップがあってかっこよかったです。そして探偵とはなにかを問われ覚悟を見せた不実崎も熱かったです。

 さぁここから反撃と思われたのも束の間、狡猾な穂鶴の罠により逆に窮地に陥る不実崎。

 無限の可能性に挑むも万策尽きもはやいいがかりでしかない推理を穂鶴にぶつける不実崎の前にライバルたちが助けに現れる場面も熱い!

 一人は丑山界正。幼馴染みの彼女が裏切り者であったにも関わらず、彼女が憧れられる探偵となるため真に探偵として立ち上がった。

 一人は水分神無。自らの目的のため影武者の裏で推理を行っていた彼女は優しいパートナーを悲しませないためその姿で戦いの舞台に立った。

 そして、〈探偵王女〉のなり損ないの少女。

 しかし穂鶴はそんな加勢すらものともせずもはや絶体絶命かと思われたその時!

 不実崎未咲、覚醒の時!

 仲間たちとの記憶、否! 思い出を力に変え探偵の深奥に辿り着いた彼の姿は虹色の翼を背負い、漆黒の翼を背負う穂鶴と相対する姿が超激アツでした!!

 覚醒したとはいえまだまだ未熟な不実崎。仲間たちと協力し信頼と絆で勝利を掴み取ったその姿は仲間を恐怖と洗脳で支配していた穂鶴とは正反対のものだと感じました。

 とてもとても熱いバトルが最高の巻でした!