【感想】また殺されてしまったのですね、探偵様 5

ネタバレあり

 ミステリーとしてはちょっと箸休め。知り合いの少女から持ち込まれた依頼に挑む日常の謎的一篇と後半は朔也の母と朔也を狙う鴉骸木一族が登場し激しいアクションが展開されます。

 キャンプ場のオーナーが敷地を掘り返されるのを嫌がっているということからすわ死体でも埋まってるのか? と思ったのですが血生臭い事件じゃなくて良かったです。解決法は血生臭いどころか血みどろでしたけどね!

 そもそも不死身というオカルトな朔也の体質。以前は謎の実験みたいなワードが出て来てたと思いますが今回母親の登場でオカルトも実在する世界観のようで、神秘と論理が入り混じるという断也の予言がどういう意味なのか気になります。

 首と身体が別々になってしまったらくっつかないかぎり復活しないのか、どちらかが霞のように消えていく感じなのかどういう復活の仕方をするのか気になりますが、今回朔也の身体に別の首を繋げることで首が残ったまま身体が復活するというのがまたころでないと出来ない展開で面白かったです。人間の“心”はどこに宿っているのか、脳内の電気信号だけでは片付けられないロマンのある謎だと思います。

 終章「マイボールと旅をする女」は江戸川乱歩の「押絵と旅する男」のオマージュですが、リリテアの抱えてるものから「魍魎の匣」のプロローグが浮かびました。そちらも意識されてるのかも知れませんが。

 次回は村もののようで楽しみです。