川原先生と他八人の先生がSAOのもしもを描いた公式アンソロジー。作家さんごとに特徴もあり色々なお話が読めて楽しかったです。
- SAO ~if ピトフーイが、SAO事件に巻き込まれていたら~
- もしキリトとアスナがゾンビゲームで遊んだら
- ドリームゲーム ―くろすおーばー―
- デスゲーム脱落編
- 名探偵コヨミ/まだらのねこ
- at the Children's Steps
- この呪いをどう解いたらいいの ―シリカと幽霊少女―
- もしアスナがレストランを開いた場合の、キリトの立ち位置的なお話
- ソードアート・オンライン If You Can Smile
SAO ~if ピトフーイが、SAO事件に巻き込まれていたら~
レンちゃんとピトさんの会話劇。実はSAOは騒動を起こしてプレイヤーをああっと言わせるゲームだったというピトさんのほら話が面白かったです。
もしキリトとアスナがゾンビゲームで遊んだら
キリトとアスナが別のザ・シード規格のVRゲームに挑むオーソドックスなイフストーリーですが一番川原先生のSAOに近く感じて面白かったです。
チュートリアルから最高難易度で追い詰められた中でも活路を見出そうとするキリトの廃ゲーマーっぷりがキリトだなーと感じました。
銃を使うゲームなのに使い慣れた剣のようにバールで無双するのも楽しかったです。
最後はゲストキャラからもう一本のバールを受け取り二刀流で戦い、ソードスキルを再現したのも熱かったです。
ドリームゲーム ―くろすおーばー―
魔法科高校の劣等生とのコラボ短編。
魔法科メインの達也目線で物語が進行。クエストNPC的なキャラに配置された達也達の前にプレイヤーが現れるも達也が撃退。最後にやってきたキリト達とかろうじて会話が成立するも破断し戦闘することに。
達也も強いけどお兄様を追い詰めるキリトがさすが。
デスゲーム脱落編
バグによりマップの進行不能領域に落ちてしまったホノ。脱出不能と分かり絶望しかけた彼に再び生きる気力を与えたのは意外な人物だった。
ゲームで本来行けるはずのない場所に行けてしまうというよくあるバグを物語にしているのが面白いなと思いました。主人公のホノがリアルでは棋士という珍しい職業なのも面白かったです。
いつも邪魔してくる相手が実はファンだったという展開が驚きました。
名探偵コヨミ/まだらのねこ
クレーヴェルやナユタにまた会えたのが嬉しかったです。時間軸はクローバーズ・リグレットの完結後でナユタ達がコヨミの持ち込んだクエストに挑戦するお話。
何度も挑戦してるコヨミの話を聞くとなんとも理不尽で分岐の多いクエストだなと思いました。意外な結末も驚き。
完結後なのでナユタはリアルでクレーヴェルの家に通っており、すっかり尻に敷かれているクレーヴェルが面白かったです。
at the Children's Steps
もしもキリトが今より三歳若い年齢だったらというこれこそ〝もしも〟というお話。
女性陣にイジられて拗ねるキリトがかわいい。
同じく周りに比べて年が若いことにコンプレックスを感じていたシリカが成長していこうと語るキリトと一緒に歩いて行こうと決意するラストにじんわりほんわかしました。
この呪いをどう解いたらいいの ―シリカと幽霊少女―
続けてシリカがメインの一篇。
冒険を通じて心を通わせていくシリカとモモ。モンスターから身を挺してシリカを守るモモや、見つけた首飾りをモモと別れたくなくて壊そうとするシリカの場面がグッときました。
逃げ場を求めてSAOに来たシリカが生きていても仕方ないと消えていくモモに自分も連れて行ってと伝えるも、モモに首を横に振られ思い直し抱き合うラストシーンは泣けました。
もしアスナがレストランを開いた場合の、キリトの立ち位置的なお話
森の奥の一日一組限定のレストランというなんとも雰囲気のあるお店を開いたアスナとキリトのお話。
特にクラインに出されたピザやステーキが美味しそうでした。
わずか三日の出来事でしたが、こうした息抜きと自分を見つめ直す時間って大事だなぁと思いました。
ソードアート・オンライン If You Can Smile
川原先生によるもしキリトたちが修剣士学院に通い続けていたらという一篇。
キリト、ユージオ、ロニエ、ティーゼが川に遊びに来たというなんとも大切な普通の風景。
特に大きな話の起伏はないですが、あり得たかもしれない普通の日常というのが逆にエモかったです。