【感想】神は遊戯に飢えている。 8

ネタバレあり

 十勝を目前にしフェイ達が次に挑むのは天使フレイヤの学園ステルス探索ゲーム。

 読み始める前はあらすじや口絵から前回のマーダーミステリーみたいにフェイ達が天使の学園で学生を演じて疑似学園ラブコメしながら目的を達成する話なのかなと思っていましたが、予想と違ってステルスしたり敵モンスターから逃げたりカオスな内容で面白かったです。

 十勝して何を願うかという問いに考えてなかったというパールとネルの様子にほっこりしました。目的はあるけれどそれを遮二無二めざすのではなく目の前のゲームを楽しむというフェイ達の姿勢がとても好きなシリーズです。神も全力でゲームを楽しんでいて楽しんでいなければそれはゲームではなく攻略不可能なものになるというヘレネイアを指したラストのフレイヤの言葉が対に感じました。

 制限時間に追われるゲームでしたが最速でクリアを目指すべきか丁寧に探索していくべきかの相談をするところで、ゲームを作ったマスターなら最速でクリアされても楽しくないし時間ギリギリあと何秒でクリア出来るか出来ないかの方が面白いというのがさすが楽しませることを考えてる職の方の文だなと感じました。

 叡知の書が並べ替えるあるいは逆から読むというのは途中で思いましたがフェイの言葉通りそれに気付いても最果てがどこにあるのかは分からず、逆から読むのが下の層からクリアしたからだというちゃんとしたロジックもなるほどと納得しました。

 フレイヤの攻撃を利用したギミックや文字通り学園すべてを使う最後の謎解きも面白かったです。

 ついに九勝し王手がかかったはずのフェイ達ですがエピローグを読むにどうやら大きなどんでん返しがあるようで楽しみです。ヘレネイアがゲームの楽しさを思い出せますように。