【感想】シャーロットはただ、事件を解きたい。 探偵はもう、死んでいる。Code:RED

ネタバレあり

 本編開始の半年前。名探偵の弟子としてその意志を引き継ぐ決意をしたシャーロットの身に起きた事件を描いたスピンオフ。

 異能犯罪対策室長からの求めを受けシャーロットは魔術の関わる事件の解決に協力をすることに。相棒として過去視の魔眼を持つ魔装探偵・シャルネリアとコンビを組むことになったシャーロットが向かわされたのは衆人環視の中でインフルエンサーが殺された現場。

 事件自体はシャルネリアの異能により真相がすぐに判明しますが、異能の存在を公にしないために異能を使った犯行を現実に実行できる推理を組み立てるところが面白かったです。

 シャルネリアと二人で水族館に遊びに来るもシャーロットは彼女とはぐれてしまう。そんな中だれも知るはずのない「お客様の中に探偵の方はいらっしゃいませんか?」というアナウンスが流れ、罠と知りながら最深部に向かったシャーロットはシャルネリアと合流するも施設が爆破され水没の危機が迫る。

 自ら足手まといだというシャルネリアを最深部に残して救助を呼びに向かうシャーロットに異能犯罪対策室長・燈幻郷から大規模な魔術テロの兆候があることが伝えられ、さらにその中心がこの水族館であることが告げられる。

 シャルネリアが裏切ったと思わせて黒幕に犯罪を実行させるために残っていたというのが面白かったです。犯罪を未然に防いでは犯人の罪が軽くなってしまうのであえて起こさせるという考えが歪で双子の入れ替えトリックも面白かったです。

 そして黒幕が燈幻郷でシャルネリアの人格入れ替えもブラフという、最終盤の怒濤のどんでん返しの連続がとても面白かったです。この日のこの事件を推理して手を打っていたシエスタの先読みが凄すぎました。